作成日:2021年11月8日 第1.0版
2006年1月1日から2021年11月8日の間に北海道大学医学研究院腫瘍病理学教室において中枢神経系の腫瘍と診断された患者さんを本研究の対象とします。当研究課題の共同研究施設(具体的施設名については下記リストをご参照下さい。)において中枢神経系の腫瘍の診療を受けられた方が対象となります。治療あるいは診断目的で採取された腫瘍組織を用いた研究を行います。
脳腫瘍の年間の罹患数は約2万人で、癌患者全体からみた患者数は少なく、希少がんに分類されています。近年、遺伝子変異解析の発展に伴う細分化が進み、現在約150種類もの分類が存在します。細分化された複雑な領域にもかかわらず、脳腫瘍を扱う施設は一部に限られており、多くの病理医は日常的に脳腫瘍診断に触れる機会がなく、またこれを学習する機会も非常に少ないのが現状です。脳腫瘍を包括的に学習できるe-learningコンテンツの作製は脳腫瘍診断に携わる病理医のまた診断精度の向上が期待され、また脳外科医の脳腫瘍病理への理解を深めることも期待されます。これらは今後脳腫瘍に罹患する患者様にとって大きな利益となります。
がんの診断および治療の際に採取され作成した病理組織標本を用い、脳腫瘍の学習用e-learningコンテンツを作製することを目指します。コンテンツの作製は共同研究施設である東京都医学総合研究所・神経病理解析室で行います。共同研究施設への画像データの提供あたっては個人情報が特定できないように匿名化された個人情報を含まない画像データのみを送付します。研究実施期間は研究許可日から令和8年8月31日です。
腫瘍組織から作成した病理組織標本(H&E染色、特殊染色、免疫染色)を用います。性別、年齢を含めた患者様の個人情報は一切使用致しません。症例の登録は任意の識別番号と病理診断名のみを使用し患者氏名などを用いることはなく、患者様のプライバシーは守られます。
腫瘍組織から作成した病理組織標本(H&E染色、特殊染色、免疫染色)の画像データは東京都医学総合研究所・神経病理解析室にてe-learningコンテンツとして加工され、Web上で公開されます。その際に患者様の個人情報(年齢、性別、臨床経過等)は公開されず、腫瘍の画像データ、診断名のみ公開され、個人が特定されない形での公表を行います。個人が特定されるような情報は当施設で保管し、共同研究施設とは共有致しません。
北海道大学医学研究院・腫瘍病理学教室・教授・田中 伸哉
北海道大学化学反応創成研究拠点・特任助教・谷川 聖
北海道大学医学研究院・腫瘍病理学教室・助教・種井 善一
東京都医学総合研究所神経病理解析室・主席技術研究員・関 絵里香
本研究に関するご質問等がありましたら下記の連絡先までお問い合わせ下さい。
ご希望があれば、他の研究対象者の個人情報及び知的財産の保護に支障がない範囲内で、研究計画書及び関連資料を閲覧することが出来ますのでお申出下さい。
また、試料・情報が当該研究に用いられることについて患者様もしくは患者様の代理人の方にご了承いただけない場合には研究対象としませんので、下記の連絡先までお申出ください。その場合でも患者さんに不利益が生じることはありません。
施設名 | 北海道大学大学院医学研究院 |
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分野名 | 腫瘍病理学教室 |
研究責任者 | 教授・田中伸哉 |
電話 | 011-706-7806 |
メール | tanaka@med.hokudai.ac.jp |
施設名 | 北海道大学 |
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分野名 | 化学反応創成研究拠点 |
特任助教 | 谷川 聖 |
電話 | 011-706-9649 |
メール | s.tanikawa@icredd.hokudai.ac.jp |