外来受診される方
脊髄空洞症

何らかの原因により、脊髄の内部に隙間が生じて脊髄周囲の脳脊髄液が内部に貯留して脊髄自体が膨れ上がってしまう非常に珍しい病気です。

原因としては、脊髄腫瘍、外傷による脊髄損傷のほか、頭蓋頚椎移行部(頭部と頚部の境界部)の発生異常(アーノルド・キアリ奇形)などが挙げられますが、先天的な場合を含めて原因がはっきりしない場合もあります。

脊髄内部に脳脊髄液が貯留する事により脊髄神経組織が破壊され、上肢のしびれ感、疼痛、感覚障害、筋力低下などの症状が出現し、進行すると下肢の症状(感覚低下、筋力低下、歩行困難など)も出現する可能性があります。症状が進行してしまうと治療を行っても症状が改善しない場合が多いので、早期に発見して治療を受ける必要があります。

症状が軽度の場合には投薬にて経過を観察する場合もありますが、基本的に症状が出現した時点で根治的な治療(外科治療)が必要と考えます。原因がはっきりしている場合は原因に対する治療(脊髄腫瘍であれば腫瘍の摘出術、アーノルド・キアリ奇形が原因であれば、頭蓋頚椎移行部の減圧術 など)が行われます。

脊髄損傷による場合や原因が不明で脊髄内の空洞が増大していく場合などにはチューブを空洞内に挿入して、空洞内と空洞外(くも膜下腔)の交通をつける手術(空洞—くも膜下腔シャント術)が行われます。

  • 脊髄空洞症(アーノルド・キアリ奇形Ⅰ型)32歳女性

    頚椎から胸椎にかけて、広範な脊髄空洞症を認める