外来受診される方
脳卒中

卒中とは突然血行がおかされて起こる症状のことです。卒中といえば脳卒中を考えるほど脳の血行障害が多いのですが、はっきりとした理由は明らかではありません。脳の血管の病気を脳血管障害と言っています。脳卒中と言われるものには脳が切れて出血する脳出血と脳の血管が詰まってしまう脳梗塞があります。脳卒中は中年以上におきやすい病気ですが若い人にもみられるクモ膜下出血も重要です。

脳出血
s301_img01.gif 出血を起こす重要な原因は高血圧と思われます。精神的緊張や急な温度変化などが重なり出血の準備状態が整います。直接の原因は脳の中の小さな動脈の壁が弾力性を失い、多くの泡粒程の動脈瘤(どうみゃくりゅう)を作りここから出血します。いわゆるこれが高血圧性脳出血で、脳出血の代表です。
症状

高血圧性脳出血は40から50歳位の働き盛りに多くみられます。顔色は倒れたときはむしろ白ですが、やがて紅潮してきます。脈はドッキン、ドッキンと強くふれ、時にはゴーゴーといびきをかく人がいます。多くは昏睡状態になりますが時には昏睡に成らず頭痛を訴えることもあります。嘔吐する場合は窒息の危険性があるので注意が必要です。まずは片麻痺といって、右か左の手足がきかなくなります。半身不随とも呼ばれます。

脳梗塞
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梗塞とは動脈が閉ざされて血液が流れなくなることを言います。昔、脳軟化と呼んでいました。脳梗塞の原因には血栓による場合と、塞栓による場合があります。

血栓による場合は、動脈硬化や血液成分の変化によって、動脈の一定の部分に血液がたまります。

塞栓というのは、例えば心臓病があるために心臓壁に出来た血栓がはがれて、脳動脈に達して血流を止めてしまいます。

症状

脳梗塞の主な症状も片麻痺(半身不随)です。例えば病巣が左半球の場合には失語症を起こしますが、片麻痺の無い発作も多くみられます。

時には言語がまったく不明で、何を言っているか判らない状態とか、字が読めない書けない、計算が出来ない。または視力障害だけの場合もあります。

更に、口がもつれ、物が飲み込めないで、しゃっくりがでる。動作が思うように行かなかったり、触っている物が熱い、冷たい、痛いといった感覚が失われる。意思とは無関係に体や手足が勝手に動いてとまらないなどの症状があります。

クモ膜下出血
s301_img03.gif これは脳を3重に覆っている膜の一つであるクモ膜の下に出血するもので、決して珍しい病気ではありません。脳の表面にある動脈の一部が膨れて動脈瘤をつくったり、動脈や静脈の奇形として両者が直接もろくつながっている場合に、その動脈瘤や動静脈の奇形が破れて出血します。
症状

熱もなしに突然激しい頭痛と嘔吐にみまわれ、意識もいくらかおかされます。原因の約6割以上が手術によって完治しています。