外来受診される方
腫瘍
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脳腫瘍とは頭蓋骨の内部(頭蓋腔)に発生する腫瘍(できもの)を意味します。この腫瘍(できもの)が頭蓋腔内の組織から出来た原発性脳腫瘍と身体のどこかで出来たガンが飛び火した転移性脳腫瘍(肺がんの転移が最も多い)とに分けられます。原発性脳腫瘍は国内で1万人に1人の割合で発生しています。

脳腫瘍には悪性と良性があります。良性の場合には完全に取り除くことが可能ですが、放置しておけば最終的には生命に関係します。

症状

腫瘍の発生場所によって多種多様です。共通の症状、頻度の高い症状について述べます。

  • 頭痛

    はじめは朝起きたときや力んだとき、身体を動かしたときに頭が痛みます。また、一日中頭が重たく、時に酷く痛んだりします。やがて年中痛みが続きます。

  • 嘔吐

    食事とは関係なしに吐き気があったり、吐いたりします。時に吐き気をまったく伴わないで突然吐くこともあります。小児の場合、自家中毒(周期性嘔吐症)と間違えることがあります。

  • てんかん

    25ないしは30歳以降にはじめて「てんかん」や「失神発作」が起こった場合には、何らかの脳の障害による場合があります。

  • 手足の麻痺

    徐々に片側の手あるいは足の運動が不自由になって力が入らなくなる。同時に感覚が鈍くなってくる。これらの症状が徐々に悪化してくる。

  • 視力、視野の障害

    視力が次第に低下してきます。メガネを使用しても視力が修正されません。

  • ホルモンの異常

    前述の視野、視力障害に伴うことが多い。月経不順・停止、性欲低下、急に太ってきた。あるいは多飲、多尿更には急に寒がりになった。

  • 歩行、バランスの異常

    歩いていると片方へ寄って行く、一方の耳が聞こえにくい、耳鳴りがする、めまいが起こる。

  • 精神症状

    特に最近のことをわすれる(記憶障害)、急に無力になったり、楽天的になったり、逆に怒りっぽくなる(性格変化)、計算能力低下などが急に起こる。