外来受診される方
炎症
髄膜炎(ずいまくえん)

脳膜炎のことを最近は髄膜炎と言います。これは脳と脊髄を包んでいる膜である髄膜に炎症を生じる病気です。炎症をひき起こす病原体によって分類分けがされています。

  • 細菌性髄膜炎
    流行性脳脊髄膜炎、膿性髄膜炎、結核性髄膜炎
  • ウイルス性髄膜炎
  • レプトスピラ性髄膜炎(無菌性髄膜炎)
  • トキソプラズマによる髄膜炎
  • 真菌(カビの一種)による髄膜
症状

結核性と真菌性は一般に慢性ですが、それ以外は急性です。

例えば、流行性脳脊髄膜炎では全身のだるさ、脱力感、皮膚の点状出血班とともに突然に頭痛、悪寒、高熱、筋肉や腰の痛みを訴え、また吐き気、嘔吐、皮膚の知覚過敏や意識の混濁、けいれん、手足の筋のこわばり、首筋が硬直し前に曲がらなくなると言った症状がみられ、昏睡状態に陥ります。発熱時には意識障害のため安静が保てず起き上がろうとして暴れるため看護に苦労します。この病気の患者発生は現象を続けています。

ウイルス性脳脊髄膜炎

ウイルスの感染によっておこる脳脊髄炎は、蚊の媒介による日本脳炎、急性灰白髄炎(ポリオウイルスによる)、狂犬病のほか、リンパ球性脈絡髄膜炎や、流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)性髄膜炎、種痘後脳炎、風疹性脳炎などが知られています。

症状

細菌感染によっておこる髄膜炎と同様の症状を示します。

遅発ウイルス性感染症

発生頻度の少ない病気です。ウイルス感染症状をあらわす疾患が最近知られます。

亜急性硬化性全脳炎

麻疹(はしか)にかかってから数年後に次第に知能低下、言語障害、全身のあちこちの筋肉にけいれんを生じる。進行が進むにつれ無言、痴呆状態隣昏睡状態に陥って死亡します。発病から6~9ヶ月で現在は治療法はありません。

進行性多巣性白質脳症

パポーバウイルスの感染によるもので、日本ではまだ数例しか報告がありません。

ヤコブクロイツフェルド病

40から50歳の中年から初老の男性が多くかかります。始めは知能低下、幻覚、妄想などの精神症状と共に歩行や言語障害、手足の筋肉の麻痺、こわばりやふるえ、体のあちこちの筋肉のけいれんを生じ、次第に症状が重くなって6ヶ月から1年で死亡します。

脳炎

脳炎の代表的な病気は日本脳炎ウイルスによってひき起こされる日本脳炎です。かかると1/3は死亡、1/3は後遺症が残り、1/3しか全快しません。原因は日本脳炎のウイルスを持った蚊に刺されることです。流行地の住民はほとんどウイルスに感染しますが発病はせず免疫が出来ます。症状があらわれる人は極僅かで(10万人に3~4人)幼児が70%を占めると言われています。

症状

蚊に刺されてから一週間前後で38度から39度の発熱と頭痛、食欲不振、嘔吐、腹痛、下痢などが始まります。この時点では診断がつきません。やがて熱が40度を超えて不眠で興奮して暴れまわり、うわごとを言い始めます。時には昏睡状態になり、大小便を漏らすようになります。病気のやまは5~6日で、これを過ぎると熱もだんだんと下がりますが、そのほとんどに精神障害が起こります。

脳膿瘍

中耳炎、副鼻腔炎、面疔などが原因となって化膿菌が頭蓋内に連続的に広がって行きます。

症状

原因や膿瘍が出来る部位によって症状は異なります。はじめ全身の倦怠感。悪寒、高熱を発し、頭痛、めまいを訴えます。