脳卒中センター

診察台とスタッフ
診察台とスタッフ

脳卒中は生命を脅かす恐ろしい病気ですが、
寝たきりとなる原因疾患の第1位が脳卒中とされており、
命が助かっても手足の麻痺など
様々な後遺症が残る辛い病気でもあります。
脳卒中に対する社会全体の理解度が深まり、
心原性脳塞栓症を比較的安全に予防出来る新薬が開発され、
脳血管内治療が重要な役割を果たすようになりました。
“脳卒中に当たらない様にする、当たっても軽く済む様にする”
ことが、脳卒中治療の最も重要な目標となってきました。
当院は1988年開設以来、
「急性期医療から在宅療養まで」の理念のもと
地域に根差した医療の実践を心掛けてきました。
そのスピリットは一貫して変わっていません。
2019年日本脳卒中学会より「一次脳卒中センター」の認定を受け、
チームワークが大切な脳卒中治療に医師・看護師だけでなく、
脳卒中専門リハビリスタッフ・臨床放射線技師など
さまざまな職種の職員が一丸となって、
24時間365日取り組む決意を新たにしております。

脳卒中センター長 久保田司

脳卒中センター長

久保田 司

一次脳卒中センター

一次脳卒中センター(PSC)とは

認定証

地域の医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる施設です。
当院は藤原雄介理事長を責任者とし、脳卒中治療を24時間365日実施出来る病院として一般社団法人日本脳卒中学会より、令和1年9月1日付けで一次脳卒中センター(Primary stroke center)の認定を受けました。

認定要件

日本脳卒中学会が定めるPSCの認定要件としては、下記の通りです。

  1. 地域医療機関や救急隊からの要請に対して、24時間365日脳卒中患者を受け入れ、急性期脳卒中診療担当医師が、患者搬入後可及的速やかに診療(rt-PA静注療法を含む)を開始できる

  2. 頭部CTまたはMRI検査、一般血液検査と凝固学的検査、心電図検査が施行可能である脳卒中ユニット(SU)を有する

  3. 脳卒中診療に従事する医師(専従でなくてもよい、前期研修医を除く)が24H/7D体制で勤務している

  4. 脳卒中専門医1名以上の常勤医がいる

  5. 脳神経外科的処置が必要な場合、迅速に脳神経外科医が対応できる体制がある

  6. 機械的血栓回収療法が実施出来ることが望ましい

  7. 実施できない場合には、血栓回収脳卒中センターや包括的脳卒中センターとの間で、機械的血栓回収療法の適応となる患者の緊急転送に関する手順書を有する

  8. 定期的な臨床指標取得による脳卒中医療の質をコントロールする

私たちの特長

対象疾患

脳梗塞

脳出血

くも膜下出血

医療設備

CT

CT

CT検査はX線を使用して断層画像を撮影する検査です。当院の装置はAI技術を搭載しており、被ばくを抑えながら質の高い画像が撮影できます。撮影した画像から3次元画像を作成することができ、造影剤を使った検査では脳血管の形状を詳しく観察することが出来ます。

MRI

MRI

MRI検査は磁力と電磁波により断層画像を撮影する検査で、特に脳と脊髄の病気を調べることに優れています。当院の装置は撮影空間が広く圧迫感が軽減され、撮影時間を短縮するためにAI技術を利用することで、患者の時間的負担も少なくなっています。

脳血管撮影装置

脳血管撮影装置

脳血管撮影検査は血管内にカテーテルという細い管を通し、その先端から造影剤を流すことで血管の走行や形状を確認する検査です。この装置は血管撮影だけでなく血管内から脳動脈瘤に詰め物をして処置する手術や、細くなった血管を膨らます手術、血管に詰まったもの(血栓)を取り除いて脳梗塞にならない治療を行う際にも使用します。

脳血流シンチグラフィー

脳血流シンチグラフィー

脳血流シンチグラフィーは核医学検査の一つで脳の血流状態を画像にしたものです。脳梗塞などの脳血管病変で多く行われますが、最近では認知症の診断にも用いられています。核医学検査は脳血流だけでなく心臓や全身の骨の撮影など様々な検査が可能です。

超音波検査

超音波検査

超音波検査は人間に聞こえない高い周波数の音波を体に当てて、反射してくる超音波を画像にする検査です。腹部の臓器や心臓の検査、頸や脚の血管の撮影、甲状腺や乳腺の検査に用いられます。頸の血管の検査では血管壁の厚さや血管を細くするプラークというものを撮影します。

実績・研究

著書

  1. 藤原雄介. (2022)あきらめない脳卒中治療 急性期から在宅まで みずほ出版新社

  2. 久保田 司・西谷 幹雄・小林 祥泰「脳卒中データバンクにおける出血性脳卒中病型別頻度の13年間の推移」脳卒中データバンク2015(中山書店) : 130-131, 2015

  3. 久保田 司・西谷 幹雄・小林 祥泰「くも膜下出血の家族歴の頻度ー性別、部位別、家族性の特徴を含めて」脳卒中データバンク2015(中山書店) : 172-173, 2015

査読論文

  1. 久保田 司・春原 匡・山崎 貴明・香城 孝麿・中西 尚史・妹尾 誠・嶋崎 光哲・西谷 幹雄「高齢者の破裂脳動脈瘤に対する、単一施設における治療成績の検討」脳卒中の外科 (Surgery of Cerebral Stroke) 39(6) : 398-405, 2011

学会発表

  1. 未破裂脳動脈瘤クリッピング術に合併した小脳出血に対する危険要因の検討
    藤原 雄介, 松村 明 第70回日本脳神経外科学会総会

  2. 胸部ステントグラフト内挿術後の脊髄虚血を再発した1例
    藤原 雄介,小松 洋治 第71回日本脳神経外科学会総会

診療・手術実績(2022年)

くも膜下出血
開頭クリッピング術
1例
くも膜下出血
脳動脈瘤コイル塞栓術
3例
脳出血
開頭血種除去術
6例
脳梗塞
機械的血栓回収術
7例

合計:17例

脳神経外科での治療

脳神経外科では、脳卒中の治療以外にも、脳や脊髄、それに関連する神経組織の異常を外科的に治療しています。詳しくはこちらをご覧ください。