医療法人秀友会 札幌秀友会病院

脊髄腫瘍

脊髄・神経・血管に由来する腫瘍性病変の総称であり、発生母地、存在部位、悪性度などにより種々の種類が存在します。脊髄の内部に発生する脊髄髄内腫瘍、脊髄を包んでいる硬膜の内側で脊髄の外側に発生する硬膜内髄外腫瘍、硬膜の外側に発生する硬膜外腫瘍などに分類されます。

脊髄髄内腫瘍

脊髄髄内腫瘍

脊髄の内部に発生し、起源となった細胞の種類によって分類されます。
上位腫、星細胞腫、血管芽腫などが比較的多く認められます。

硬膜内髄外腫瘍

硬膜内髄外腫瘍

神経鞘腫、髄膜腫の2種類で大部分が占められます。神経鞘腫は神経線維再外側に存在する膜様組織である神経鞘から発生する腫瘍で、髄膜腫は脊髄を包んでいる硬膜から発生する腫瘍です。どちらも良性腫瘍である場合が多いです。

硬膜外腫瘍

硬膜外腫瘍

脊髄を包んでいる硬膜の外側にある血管、骨組織から発生する腫瘍で、身体の他部位に存在する悪性腫瘍からの転移(転移性腫瘍)が代表的です。

いずれの腫瘍も、良性で全摘出ができれば治癒が得られますが、腫瘍の存在部位などによって全摘出できない場合、悪性腫瘍の場合などでは治癒を得る事が困難となります。腫瘍の摘出に際して広範囲の骨組織の削除が必要となる場合には、金属性の(チタン)インプラントという器具を使用して背骨を補強する手術(固定術)の併用が必要となります。

腫瘍の種類、残存腫瘍の程度、症状の程度などによって放射線治療や化学療法(抗がん剤などの使用による)などの追加治療が必要になる場合があります。

硬膜内髄外腫瘍(神経鞘腫)

56歳女性

症例写真

第1-2頚椎部に腫瘍を認める

硬膜内髄外腫瘍(神経鞘腫)56歳女性

手術前
手術前写真

腫瘍によって脊髄は強く圧迫されている

手術後
手術後写真

腫瘍が摘出され、脊髄の圧迫は消失している

医師紹介

脳神経外科

安斉 公雄

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